最上和子舞踏稽古場に参加しての感想

稽古場を再開して稽古中に様々なことを感じてます !
目からウロコのことも実に多い。
なので、これから稽古に関する参加者の感想や私の気づきを「具体的に」書いていこうと思うに至った。
稽古法は稽古をしながら考えて開発しているので、言語化することが稽古の一環として重要だと痛感しはじめたのであります。


まず、もう5年くらい前になってしまうのですが、稽古に参加した文筆家の眞鍋じゅんこさんの感想文を掲載します。
(眞鍋さんは日本と海外の町歩きをしてはとても面白い文章を「散歩の達人」などに掲載していらっしゃいます。好奇心が強く行動力のあるまっことチャーミングな女性です。→ 眞鍋じゅんこブログ )



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舞踏家の最上和子さんのお稽古におじゃました。
びっくりの連続だった。

畳敷きの広間に2人の女性が、床に伏してしている。
静寂の中、時折、最上さんが鈴を鳴らす。
女性たちは、じっとしているわけではなくて、ゆうるりとうごめいている。
一段落したところで、この稽古の説明を受け、
私も体験させてもらうことになった。

「床にべったりナメクジのように隙間なく貼り付いて、床の力を感じる」
それから時間をかけて起きあがって歩いて戻って、また寝ころぶ
へえ、彼女たちはそんなことをやっていたのか。

でもって驚いた。
まず7分間、寝ころんでみる。
ナメクジかアメーバを意識してうつぶせにべったり。
すると、「あ、肩が浮いてる」とか、
「腰のこの辺に力が入っている」などと気が付き、
ふっと力を抜いてみると、その部分がぺたっと畳に落ちていくのを感じるのだ。
「身体を細かく動かして下さい」という最上さんの言葉を思い出す。
へえ、人間、そんな事ができるんだな、と、面白くなった。

それから7分かけてゆっくり起きあがる。
すると身体のどの部分に弾みをつけると、
どの部分が動くのかがよくわかる気がして、
これもまた、面白くて,気持ちよくて、はまりこんでしまった。
そして次に歩く頃には、もうくにゃくにゃだったらしい。

「じゅんこさん、上から吊り下げられているように、しっかり立って!」
最上さんの声に、はっとした。

普段ずっとせかせかと動き回っている私が、
ゆっくりゆっくり動くことで、
不思議に身体の内部の動きや五感に飛び込む感覚が、
ものすごい鋭さで私を刺激する。

畳の目が向こうの端までずっと伸びている美しさ、青い匂い、
鈴の音、関節や筋肉の動き、畳をする音、ものの質感、人へのいとおしさ。
頭の中では、アメーバ帝国の天幕になってみたり、でんでん太鼓になったり、
圧力釜で肉と骨と関節がはらりと剥がれやすくなった茹で豚肉になったり、
蓮の葉を差して薄笑いを浮かべるバリ島のカエルになったりと、
次々に空想が繰り広げられて、こっちも面白くてしかたない。


いっとくけど、これ全部しらふ。
あくまでも最上さんが編み出した、
身体感覚を磨くための稽古の体験談なのだ。
そういえば、子どもの頃は、こうした感覚で1人遊びしていたことを思い出した。


最上さんは身体感覚を大切にする、独特な舞踏をするという。
次に見せて頂いた彼女自身の稽古は、
たおやかで凛として、抱きしめたくなるほど美しかった。

稽古後、ひとり一人の動きへの感想を、最上さんは教えてくれるのだが、
それはもう「人生そのものへの鋭い観察眼」であり、
私なぞは、思いっきりドキッとした。
彼女は身体ばかりではなく、
その人の精神や人生まで見透かしてしまうのだ。

とにかく不思議なひとときだった。



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この時の眞鍋さんは、床稽古をしているうちに体がぐにゃぐにゃになってしまって、なかなか立ち上がれなくて何回も倒れていた。
まるで操り人形の糸が途中で切れたような感じ。
やっと立ちあがったかと思うと今度は、酔っ払いの千鳥足のようになって、フラフラ~っと、あっちにこっちにと壁にぶつかりそうになって歩いていた。
それがあまりにも極端だったので私の印象に強く残っている。


今では稽古法も少し進化しているけど、床稽古を重視する基本にかわりはないので、眞鍋さんの許可を得てここに掲載してみました。
これを読んで、稽古を言語化することの大切さをあらためて感じましたねぇ・・・
はじめて自分の身体を体験した人の感情がいきいきと伝わってきます。

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ご無沙汰しております。
その節は、誠にありがとうございました。

いつもせかせか生きる私めが、本当に不思議体験でした。
また、体感してみたいです。

最上和子さんのご活躍、楽しみにしています。
ご縁に感謝しております。

       じゅんこ拝

ありがとうございます。

眞鍋じゅんこ様

感想文ありがとうございます。
あの時のことが蘇ります。じゅんこさんの反応はみごとでした !
身体を感じることは本当に楽しいなぁ、とこれを読んでつくづくと思います。

又お会いするのを楽しみに。
じゅんこさんもますますのご活躍を。
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Author: 最上 和子
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